「底地のよくあるトラブル5選」解決法もご紹介
底地
底地は土地を「持つ権利」と「使う権利」が分かれている状態で、複数の人物が関わっていることにより、トラブルが発生しやすい不動産であるといえます。
今回は、底地でよくあるトラブルとその解決法、トラブルを未然に防ぐために大切なことをご紹介します。トラブルが起きてしまった際の相談先も最後に記載しております。
目次
1.底地でよくあるトラブルと解決法
まずは底地でよくあるトラブル5選と、その解決法をご紹介します。
①地代滞納に関するトラブル
②地代の値上げに関するトラブル
③更新料の支払いに関するトラブル
④借地権者(借地人)の建物の建て替え・増改築に関するトラブル
⑤借地権の譲渡に関するトラブル
① 地代滞納に関するトラブル
借地権者が地代の支払いを滞納することでトラブルが発生することがあります。
地代の滞納が長期に及ぶと、借地契約の解除が認められるようになります。
【解決法】
地代の滞納が発生した場合、地主側の対応として、まずは借地権者と連絡を取り滞納が発生していることを伝えましょう。
単なる不注意等で支払いができていなかった場合は、これで滞納を解消できることが多いのではないでしょうか。
地代支払いの催告を行う方法として、特定記録郵便や簡易書留、さらには内容証明郵便を使用する方法があります。
内容証明郵便は受け取った側に大きなプレッシャーをかけることになりますので、地主と借地権者の関係性を不必要に悪化させないためにも、催告に応じてもらえない場合や何か月も滞納しているという場合に限り内容証明で催告する方法がよいのではと考えます。滞納の状況と場合に応じて、催告の手段を検討するようにしましょう。
地代の滞納を理由に借地契約の解除を行いたい場合は、支払いの催告に加えて相当期間内に地代の支払いがないことを条件とする借地契約解除の意思を内容証明で通知します。 この通知を出して相当期間内に地代の支払いがなければ、契約を解除できる可能性があります。また、地代滞納がおおむね3カ月分から6カ月分以上になると、借地契約の解除が認められる可能性が高くなります。
② 地代の値上げに関するトラブル
地代は契約時に定めているため、古くから契約が続いている場合は現在の相場に比べて大幅に安くなってしまっているケースがあります。地主側は、周辺の地価が上がり、地代収入より支払う固定資産税等の負担が大きくなってしまった場合などに、借地権者に対して地代の値上げを請求することができます。しかし、借地権者側からすると地代の値上げは簡単に承諾できる問題ではないため、トラブルになってしまうことがあります。
【解決法】
まず地代の値上げを請求するには、現行の地代額が不相当となっていることが必要です。地主側が支払っている実際の固定資産税額と都市計画税額を示し、それに対して現状の地代がいくらでどれだけ赤字になってしまっているのか、また、適正な地代とどれだけ乖離があるのかを計算して明確に説明し、借地権者からの理解を得ることが必要です。一般的に適正な地代とは、慣例的に以下のように考えられています。
・住宅地:1年間の固定資産税・都市計画税合計額の3~5倍程度
・商業地:1年間の固定資産税・都市計画税合計額の5~8倍程度
地代の決定は基本的には当事者間の話し合いになります。どうしても話し合いがまとまらない場合や、底地の収益性にお悩みの場合は、底地の買取り業者、底地の管理代行を行う業者への売却や管理委託も視野に入れて検討することもおすすめします。
③ 更新料の支払いに関するトラブル
更新料の支払いは、法律で明確に定められているわけではありません。借地契約の更新の際に慣習として支払っている地域が多く、「更新料」は地主側、借地権者側との人間関係を円満に保つものとしても広く認知されています。しかし、契約書に明記されていない限り更新料の支払義務は発生しないため、更新料を支払ってほしい地主側と、支払う必要がないと考える借地権者側との間でトラブルに発展することがあります。
【解決法】
過去には地主と借地権者の信頼関係で契約書に更新料の支払いが明記されていなくても更新料の支払いが行われていたケースもありますが、借地権者に相続が発生して代替わりがあった際など、地主から「契約書に更新料の支払いについて明記されていないが、これまでも支払ってもらっていたから支払ってほしい」と言っても通用しなくなります。あらかじめ、更新に際して更新料を支払う旨を明記しておく必要があります。
更新料は大きな額になることもあるため、一括での支払いは借地権者側にとってはかなりの負担になります。更新料の分割払いや、毎月の地代に上乗せして支払ってもらう方法を提案すれば、負担を軽減するような形で交渉が進められ、合意を得られる可能性が高くなるかもしれません。契約書に更新料の支払いの明記があるのにも関わらず支払ってもらえない場合は、これが当事者間の信頼関係を破壊するに足りると判断された時、借地契約の解除が認められる可能性もあります。
④ 借地権者の建物の建て替え・増改築に関するトラブル
借地契約の中に、借地権者が建物を建て替える、増築・改築することを制限する内容が規定されていることが多いです。
このような規定がある場合、建物の建て替え、増改築を行いたい場合は、事前に地主の承諾を得ることが必要になります。また、承諾を得る場合に承諾料(※)を地主に支払う慣習があります。
借地権者が地主に無断で工事を行い、後から地主側が工事のことを知った、承諾料の支払いについて地主と借地権者で認識の違いがあるといったことが理由で、トラブルに発展することがあります。
【解決法】
上記のような規定がされる背景として、借地権者が自由に建物の建て替え、増改築ができる状態にあると、地主が不利益を被ることになる可能性があることがあげられます。
承諾料に関しては、明確な決まりはないため、契約内容や後記の目安を参考にしながら借地権者と話し合い、折り合いをつけることが必要です。
もし借地権者が地主に無断で建て替え、増改築を行った場合、地主側から借地権者に対して、契約違反として借地契約の解除を申し入れることが可能になります。
⑤ 借地権の譲渡に関するトラブル
借地権者が借地権を第三者に譲渡(売却)する場合も、地主の承諾が必要となります。また、譲渡承諾料(※)を地主に支払う慣習があります。
借地権者の建物の建て替え、増改築に関するトラブルと同様に、地主に無断で借地権を譲渡(売却)してしまった場合や、譲渡承諾料の支払いについて地主と借地権者で認識の違いがあるといったことが理由で、トラブルに発展することがあります。
【解決法】
こちらの承諾料の支払いに関しても明確な決まりはないため、契約内容や後記の目安を参考にしながら借地権者と話し合い、折り合いをつけることが必要です。
借地権者が地主に無断で借地権を第三者に譲渡(売却)した場合、地主側から借地権者に対して、借地契約の解除を申し入れることが可能になります。
(※)底地、借地に関わる各種承諾料の目安(絶対的なものではなく、最終的には当事者間での話し合いで決定されます)
・建て替え承諾料…更地価格の3%程度
・譲渡承諾料…借地権価格の10%程度
・借地条件変更承諾料…更地価格の10%程度
2.底地でよくあるトラブルを未然に防ぐ為に大切なこと
ここまで、底地でよくあるトラブルと、解決法をご紹介してきました。複数の人物が関係している不動産であること、地域などによってさまざまな慣習があることにより、トラブルが起こりやすい不動産であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。借地契約は、契約期間が20年~30年以上と長期にわたる契約です。さらに相続で底地・借地が代々引き継がれていくと、地主と借地権者の契約関係はとても長い間続いていきます。この長い契約期間の中でトラブルを未然に防ぐためには、地主と借地権者の人間関係を良好に保つことが必要不可欠です。
地主と借地権者のコミュニケーションの大切さ地主と借地権者のコミュニケーションが取れていないとどんなことが起こるでしょうか?
「知らないうちに地主側・借地権者側に相続が発生して代替わりしていた…」
「相続で底地・借地を引き継いだが、お互いの連絡先を知らない…」
「借地契約の内容に認識の違いがあった…」
などなど、どれもトラブルへと発展してしまうようなことが容易に想像できます。
地主と借地権者が近くで生活している場合はコミュニケーションも取りやすいですが、両者が離れたところで居住している場合、コミュニケーションの機会は限られてしまいます。必ず両者の連絡先と住所はお互いがわかるようにしておき、相続などの際は必ずそのことを伝えられる状況にしましょう。
良好な関係が築けていれば、地主が地代の値上げをお願いしたい場合や、借地権者が建物の建て替えをしたい場合などでも、比較的スムーズに話し合いができるのではないでしょうか。
3.底地トラブルの相談先
もしトラブルが起こってしまった際はどうしたらよいのでしょうか。ここではトラブルの相談先をご紹介します。
底地を専門的に扱う不動産会社
不動産会社には様々な種類がありますが底地を専門的に扱う不動産会社もあります。
底地をそのままの状態のまま買い取ってくれる不動産会社、地主さんに代わって底地の管理を行う不動産会社もあるので、お悩みに合わせて相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士・税理士
底地・借地のトラブルは、法律関係や税金に関することなど、個人で解決するには難しいことも多くあります。その際は各分野の専門家に相談することをおすすめします。相談する際は、不動産関係、さらに言えば底地・借地に強い弁護士・税理士かどうか、ホームページ等で事前に確認するとよいでしょう。
4.さいごに
今回は底地のよくあるトラブルとその解決法をご紹介しました。
まずはトラブルに発展しないよう、地主と借地権者の関係性を良好に保つために日ごろからコミュニケーションをとることを大切にしましょう。
底地のトラブルにお悩みの際は、サンセイランディックへご相談ください。
当社は底地を専門的に扱い、買い取り以外にも底地の管理も行っており、数多くの取り扱い実績がある不動産会社です。
底地について少しでも悩んでいる、不安があるという方は、ぜひ一度当社へご相談ください。
*。○☆*底地に関わって30年以上*☆○。*
昭和51年の創業後30年にわたり、不動産業者があまり取り組まない底地を数多く取り扱っております。
*。○☆*「手間なく」「安心して」取引できます*☆○。*
直接底地を買い取っているため、仲介手数料は必要ありません。底地の取り扱いに長けた経験豊富なスペシャリストが在籍しております。権利関係が複雑な底地を「そのまま」買い取りいたします。
*。○☆*ご相談から売却までの流れ*☆○。*
ご相談をいただいてからを3~7日のお時間をいただき、お客様の底地の調査・査定を行います。物件の状況を踏まえて適正な価格を導き出します。査定結果にご納得いただけましたら、諸条件を調整し売買契約の締結、決済・引渡しを経て売買が完了となります。
皆様からのご相談、お待ちしております。